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地域の飲食店、折込でサポート 助成金も活用

2020.10.8UP

新型コロナウイルスの影響で苦境にある飲食店。新たにテイクアウト(持ち帰り)販売に力を入れる店を読売新聞販売店(YC)が折込チラシでサポートしている。チラシの印刷・配布など販売促進・広告宣伝費用に公的な助成金も活用しながら、経営者らは新規顧客の開拓を通じて売り上げの底上げを図っている。

東京・JR三鷹駅南口のラーメン店「中華そば みたか」。行列の絶えない人気店だが、それでも新型コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言後は客足が落ち込み、月間の売り上げは最大で2割ほど減った。そこで、店主の橋本重光さん(39)が踏み切ったのが、持ち帰り販売だ。

折込チラシで持ち帰りセットをPRした橋本さん(中、東京都三鷹市で)

看板メニュー「中華そば」(550円)の麺やスープに加え、「チャシュー」の名で親しまれている店オリジナルのチャーシューなどの具材をパックにした2食分の持ち帰りセット(1000円)など、4種類の持ち帰り商品を用意。店内で食べるより割安な価格に設定した。

地元YCの協力も得て持ち帰り商品をPRする折込チラシも作成した。店頭に掲げている白地に赤字の暖簾(のれん)に、「お待たせしました!テイクアウト始めました。」の文字をあしらったデザインで、8月下旬に店舗周辺エリアで約5万枚を新聞に折り込んだ。

約5万枚を新聞に折り込んだ「中華そば みたか」のチラシ

チラシの効果はてき面だった。折込直後から「スープが足りなくなるくらい注文が増えた」と橋本さんはうれしい悲鳴。「チラシを見て初めて来た」という新たな客の掘り起こしにつながっただけでなく、持ち帰りセットの購入目的で訪れた客が「やっぱり店でも食べたい」と店内メニューを注文するといった、集客との相乗効果も生まれたという。

■助成金も活用

橋本さんは今回、チラシの作成・配布にかかる費用について、東京都中小企業振興公社が行っている新型コロナウイルス緊急対策の助成金事業を活用した。知人の中小企業診断士・園田晋平さん(49)から助成金制度を紹介され、申請や審査などの手続きを進めた結果、「販売促進費」としてかかった約26万円のうち約8割を助成金で賄うことができたという。持ち帰り用に麺やスープを包装するビニールの圧着機購入にも助成金を使うことができた。

全国には、コロナ禍を受けてテイクアウトやデリバリーを始めた飲食店向けに、助成金や補助金の制度を設けている自治体も多い。こうした制度も活用し、地元YCを通じた地域に密着した新聞折込チラシならではの販促で、来店客と収益の増加を実現させるケースが広がっている。