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苦境の飲食店、折り込みに活路
30代若手店主ら、テイクアウト需要掘り起こし

2020.06.26UP

神奈川県横須賀市の中心商店街で飲食店を営む30代若手店主ら3人が4月下旬、いずれもテイクアウト(持ち帰り)サービスをPRする折り込みチラシを作成、YC横須賀中央を通じて市内約6000戸に配布した。

折り込みチラシでテイクアウト利用を呼びかけた陳さん(中央)ら若手店主たち(横須賀市で)

中心となった中華料理店「上海亭」店主、陳寛明さん(39)は新型コロナの影響で来店客が半数以下に激減。何とか売り上げを確保しようと、以前から提供していた焼餃子やチャーハンなどのテイクアウト(持ち帰り)メニューを折り込みチラシでアピールしようと思い立った。

近隣で窯焼きピザ店「Sette」を営む相川剛士さん(37)、居酒屋カフェ「Rooms Cafe」を運営する中村竜彦さん(33)に呼びかけ、3店舗共同のチラシを作成。QRコードなどで持ち帰りを呼びかけたところ、「新しい顧客とのつながりが生まれた」「(チラシの効果もあり)持ち帰りの注文が平時の2倍~2・5倍に伸びた」(相川さん)と手ごたえをつかんだ。

新型コロナの余波で、飲食店のテイクアウト需要は拡大している。飲食店情報サイトを運営する「ぐるなび」(東京)が5月中旬、インターネット上で約3000人を対象に行ったアンケート調査によると、直近1か月で「飲食店のテイクアウトを利用した」と答えた人は61・5%に上った。「(以前より)予算を増やした」との回答も32・5%と、外食機会が減った分、テイクアウトでプチ贅沢をしようという傾向がうかがえるという。

コロナ収束後の飲食業界について、若手3人の見方は厳しい。「人との接触を敬遠する動きは完全には払拭されないと思う」と中村さん。相川さんも冷凍ピザの提供などでテイクアウトメニューを充実させるとともに、デリバリー(宅配)の需要取り込みに向けて新たなチラシやネットでのPRを検討している。


テイクアウトメニューを紹介する3店舗のチラシ。お店を探せるウェブサイトとも連動している。