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J-READデータでみる折込チラシ×ネットの可能性

2021.02.18UP

2020年は新型コロナウイルス感染拡大によって、人々の生活が大きく変わる1年となりました。人々の生活が変わることで、各メディアの持つ強みや弱みといった特徴が、より一層注目されるのではないでしょうか。そこで、今回は折込チラシの全国的な到達状況やインターネットとの関係性を見ていき、今後折込チラシがどのような役割を担っていくべきなのか、株式会社ビデオリサーチのJ-READ Basic2019年調査データから考えていきたいと思います。

地方で強みを持つ折込チラシ
まずは折込チラシの到達状況を見ていきます。【図1】のグラフでは、折込チラシを週1日以上見た人をブロック別でまとめています。
全国計のスコアは51.6%と、半数以上の人が折込チラシに週1日以上接触していることがわかります。ブロック別では、北陸が最も高く68.5%、次いで東海・甲信越が65.5%、四国が63.6%となっています。このように折込チラシは特に地方のエリアで強みを持っています。



インターネットを補完できる折込チラシの役割
続いて、職業別で折込チラシとインターネット(スマホ)の到達状況を比べてみます。【図2】では、「折込チラシに週1日以上接触」「インターネット(スマホ)に週1日以上接触」「折込チラシもしくはインターネット(スマホ)に週1日以上接触」の3つのグループでスコアを比較しています。
「折込チラシに週1日以上接触」は、無職を除くと最も高いスコアは主婦の61.9%で、全体のスコアと比較して10ポイント以上高くなっています。このことから折込チラシにとって主婦は重要なターゲットであることがわかります。
次に「インターネット(スマホ)に週1日以上接触」のスコアを見てみます。最も高いターゲットは学生で90.2%となっており、改めて若い世代にとってインターネット(スマホ)が身近なメディアだと言えます。他のターゲットも高い水準ではあるものの、到達度合いには差が出ています。
そこで「折込チラシもしくはインターネット(スマホ)に週1日以上接触」というどちらか・・・・のメディアに接触している人のスコアを確認すると、すべてのターゲットで約9割の到達を獲得することができます。特に「インターネット(スマホ)に週1日以上接触」のスコアが他のターゲットと比べて低めだった、主婦や農・林・漁業・その他でも9割前後までスコアが上昇しています。折込チラシとインターネット(スマホ)を組み合わせることで、あらゆるターゲットに情報を届けることができ、お互いを補完し合う関係になっていると言えます。



折込チラシ×インターネット(スマホ)の相乗効果
折込チラシとインターネット(スマホ)を組み合わせることでお互いを補完できることを確認しましたが、両者は相乗効果も期待できます。
【図3】では、折込チラシとインターネット(スマホ)どちらにも・・・・・週1日以上接触している人を「折込チラシ×インターネット(スマホ)に週1日以上接触」と定義し、関心のある商品広告別に、「インターネット(スマホ)に週1日以上接触」の人とのスコアを比較しています。全体的な傾向として、どちらにも・・・・・接触している人はスコアが高くなっています。インターネット(スマホ)だけに接触している人より、折込チラシも併せて接触している人の方が様々な商品広告に関心が高く、より広告の効果も期待できると言えます。

【図4】では、折込チラシを見た人の1年間の行動・レスポンスのスコアを、折込チラシとインターネット(スマホ)どちらにも・・・・・接触している「折込チラシ×インターネット(スマホ)に週1日以上接触」と、インターネット(スマホ)にあまり接触する習慣のない「折込チラシに週1日以上接触×インターネット(スマホ)に月2~3日未満接触」という2グループで比較しています。
スコアを見ると「折込チラシ×インターネット(スマホ)に週1日以上接触」の方が折込チラシを見て実際に行動をしている人が多いことがわかります。このように折込チラシに普段から接触している人の中でも、インターネット(スマホ)に接触する習慣がある人の方が、折込チラシに対する反応がよく、両方の媒体を活用している人がより能動的であると言えます。



まとめ
様々な項目で折込チラシに関するスコアを見てきましたが、折込チラシとインターネット(スマホ)の組み合わせによって、足りないところを補う「補完関係」と、効果をさらに高いものにする「相乗効果」の2点を期待できることがわかりました。今回はインターネット(スマホ)に焦点をあてて分析を行いましたが、折込チラシ×テレビ、折込チラシ×ラジオのように他のメディアとの掛け合わせによって、広告の効果を最大化させるといった役割が折込チラシには期待できるのではないでしょうか。

寄稿 株式会社ビデオリサーチ
メディア・コミュニケーション事業局 メディア企画部 丸山敦史






株式会社ビデオリサーチ 国内唯一の「テレビ視聴率調査」や、全国47都道府県で主要新聞の閲読状況を測定する「J-READ Basic」をはじめとする各種メディアリサーチのほか、様々な市場調査、世論調査等のマーケティングリサーチを手がける総合リサーチ企業。データ提供から、分析・研究による提言まで、複合的なソリューションを行う。本社・東京都千代田区。