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折込チラシ・ネット併用で効果最大化を
RACが初のオンラインフォーラム 「新常態下のリテール販促」を議論

リテールアド・コンソーシアムは2021年2月25日、フォーラム「ニューノーマル時代のリテール販促戦略」をウェビナー形式で開催した。

マーケティングの専門家や企業の販促担当者らによる講演に続き、パネルディスカッションも行われ、新聞の折込チラシとネット広告をそれぞれの特性に合わせて使い分けることが、広告効果の最大化につながるとの指摘が相次いだ。

フォーラムではまず、読売新聞グループ本社などが2020年11月に福岡県内で実施した折込チラシとネット広告の効果測定調査の結果を報告。調査を設計・監修したコンサルタントの田中義啓氏は「買い物習慣にフォーカスすると、折込チラシとネットの利用層は重なりが少ない。折込かネットかという単純な選択ではなく、うまく組み合わせて相乗効果を狙うことを考えてほしい」と指摘した。

「小売業における広告効果測定調査」からの提言
  折込チラシ、ネット広告のリアルな実力を可視化する

続いて、調査に協力したトライアルカンパニー(福岡市)の野田大輔マーケティング部長が、自社の30店舗以上に導入しているAIカメラやスマートショッピングカートといったIoTツールを駆使し、買い物に関するデータを集めて販促に役立てている取り組みを紹介。折込チラシとデジタル広告の使い分けにも言及し、「メディアの選択と商品の選択、それぞれの店舗の顧客動向を小売りとして究めていかないといけない」と強調した。

講演「アナログ×デジタルで実現する店舗販促」

マーケティングや消費者行動に詳しい東京国際大学商学部の平木いくみ教授も登壇した。平木氏は、消費者の五感に訴える「感覚マーケティング」に即した販促の重要性に触れたうえで、「デジタルに慣れ親しんだ若年層ほど、意外と紙媒体のインパクトは大きい」と指摘した。

講演「小売業における感覚マーケティングの展開」
  ―消費者の五感に訴える店舗販促を考える―

最後に行われたパネルディスカッションでは、眼鏡ブランド「Zoff」を展開するインターメスティックの井戸喜貴氏、キタムラの柳沢啓氏、ベルーナの出来宏崇氏らが、コロナ禍に伴う新たな生活様式下での販促のあり方について議論した。

井戸氏は自社の販売データを交えながら、「折込チラシには即効性があり、地方の在住者や高年齢層に強みがある。デジタル広告との併用で、より幅広い年代・性別の顧客をカバーできる」と指摘した。

柳沢氏は、コロナ禍で外出を控える人が多い中、中古カメラの出張買い取りや直送買い取りといった新たな需要を取り込んでいることに言及した。「従来行っているテレビCMなどに加え、テスト配布した折込チラシの投下直後にコールセンターへの問い合わせが増えた。年配の顧客を中心にチラシの効果を実感した」と語った。

出来氏は、自社で手がける通販商品の販促が折込チラシを主軸としつつ、紙のカタログやデジタル広告も含めて多様に展開していることを紹介した。「ヒット商品の開発に折込チラシは欠かせない。同業他社がネットにシフトする中で、紙媒体にこだわった販促で優位に立った」と指摘した。

パネルディスカッション「ニューノーマル時代のリテール販促戦略
  ~フィジカル×デジタルの相乗効果のヒントを探る~」