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連携で『化学変化』を期待~コンソーシアム設立記者会見から
<記者会見詳報>
6月26日に東京・大手町で開催されたリテールアド・コンソーシアム設立記者会見での各社代表による発言要旨は下記の通り。
○山口寿一 読売新聞グループ本社代表取締役社長
折込チラシは日本独自の広告として、また毎日の暮らしに欠かせない生活情報として愛用され、発展してきました。しかし、スマートフォンの普及が生活様式を変え、広告のデジタルシフトが始まり、ネット広告と折込チラシを併用する手法が広がりました。以来、ネット広告と折込チラシが広告予算を奪い合う状況が続いています。
こうした中、ネットとリアルを組み合わせた広告の最適モデルはまだ見つかっていません。加えて、今後は新型コロナの影響もあります。従来、小売店は来店者数を最重要視してきましたが、この傾向に変化が起きる可能性があります。「3密」を防ぎつつ、店舗の売り上げをどう高めていくかという課題を解決しなければなりません。
読売と東急エージェンシーが昨年、ホームセンター大手のカインズの協力で行った広告の効果測定調査では、折込とネット広告で販促を行った店舗において、何もしなかった店舗と比べて広告商品が3.5倍売れるという結果が得られました。折込だけの店舗は2.3倍だったので、相乗効果は明らかです。
折込チラシ対ネット広告、リアル対デジタルという戦いではなく、小売業のクライアントの発展成長を実現するという大きな目標に向けて力を合わせたいと思います。ともに活動していくことによって化学変化が起き、面白いことをやっていけるのではないかと大いに期待しています。
○林誠 東急エージェンシー取締役常務執行役員
4月の緊急事態宣言後にチラシの数が激減し、そうなってチラシの存在感に気付きました。普段は何気なくチラシに目を通していますが、とにかくチラシが少ない。今、チラシが(逆に)一番目立っているのではないかと思います。新しいチラシの役割、活用の方法、その可能性を実感しました。
生活者はコロナ禍で、行動変容、態度変容だけでなく、心も大きく変容したと思います。当社はコンソーシアムの場、機会を通して、クリエイティビティと統合マーケティング、統合プランニング力を生かして、クライアントの心、生活者の心に響くソリューションの開発に取り組んでいきたいと考えています。
○中野宜幸 オプト執行役員
オプトはデジタル広告を中心に、デジタルマーケティングサービスを提供している会社です。スマートフォンの登場以降、リテールのお客様、小売りのお客様は、デジタルを活用した来店促進型の施策を数多く実施いただいています。
そうした中で、テレビCMやチラシの広告、デジタルの広告をどのようにハイブリッドしながら投下していくのがもっとも効果的で、投資対効果に結びついていくのかという論点については、まだまだ未解決の領域です。
本コンソーシアムを通じて、リテール企業様とも共同する形で、更なる投資対リターンの最大化に向けたご支援がデジタル専業ならではアプローチでご協力できればと考えております。