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「折込チラシ」×「ネット広告」併用で効果7割増~小売業における広告効果測定調査2021
読売新聞グループ本社と信濃毎日新聞社は、靴の量販店「シューマート」(本社・長野市)の協力を得て、新聞折込チラシとネット広告の効果を検証する「広告効果測定調査」を長野県内で実施した。調査では、折込とネット広告を実施した店舗グループの前週比売上が70%増となり、併用することで売上効果は増大することが実証された。
- 調査は7月、シューマートが扱うインソール(靴の中敷き)「SUPERfeet(スーパーフィート)」について実施した。長野県内の8店舗を売上規模や店舗条件をそろえて2店舗ずつ(A)折込チラシ+ネット広告、(B)折込チラシのみ、(C)ネット広告のみ、(D)広告なし――の4グループに分け、広告実施(折込チラシ1回、ネット広告7日間)前との売上を比較したところ、以下の結果が得られた。
■ 広告により5~7割の売上増
広告投下週と前後1週間の売上増加割合を比較すると、広告投下週は投下前の週に比べて折込チラシ+ネットのグループが70%増となり増加率が最も高かった。折込チラシのみのグループは56%増、ネット広告のみのグループはほぼ横ばいだった。
■ 翌週の売上も増加
折込チラシ+ネットのグループと折込チラシのみのグループはいずれも、広告投下週だけでなく、投下翌週も売上が投下前より11~26%増加しており、広告の残存効果が見られた。
■ 調査結果から分かったこと
▽ 折込チラシとネット広告の併用で売上最大化
本調査では、折込チラシとネット広告を併用した場合に売上が最も大きくなった。また、折込チラシ単体でも一定の売上増効果が認められ、両ケースともその効果は翌週まで持続する結果となった。一方で、ネット広告のみを投下したグループには直接的な売上増効果は認められず、ネットショッピングによる直接購入も極めて限定的だった。
小売店の販促広告としては、現時点で折込チラシは欠かせない主力メディアであると言えるが、ネット広告を併用することでメディアミックス効果(チラシ、ネットの両方に接触)が生まれ、購入意欲・行動を高めているものと推察される。
▽ 高付加価値・高額商品にも有効
調査対象とした広告商品は、定価5,720円(税込) とインソールとしては高価格帯に位置する「機能的ベネフィット」×「高価格」の商品ながら、折込チラシやネット広告が有効であることを示した。
▽ 購入行動を考慮した広告投入
過去の広告効果測定調査との差異としては、広告投下と購入行動のタイミングのズレがあげられる。2019年と20年に調査したホームセンターやスーパーでは、折込チラシ投下日が売上ピークになったが、今回は折込チラシ投下日が7/8(木)であるにも関わらず、売上は、折込・ネット併用店、折込単体店とも7/11(日)にピークに達した。靴流通は小売りの中でも極端な休日ピーク型であることからこうしたズレが生じたものと考えられる。
▽ 合わせ買いによる顧客単価向上
スーパーフィート購入者の3分の2は他の商品(靴)を合わせて購入しており、レジ精算額の押し上げ効果が見られた。また購入者の3分の1にはインソール単独の購入がみられ、広告による目的買いも生じたものと考えられる。
調査を設計・監修したタウマーケティングコンサルタンツ代表取締役/コンサルタントの田中義啓氏のコメント
「小売業の折込チラシでは価格的なお得感を訴求するケースが一般的ですが、本調査では、インソールとしては高価格帯に位置する商品の「機能的な魅力」を、定価のまま訴求しています。こうした商材・価格であっても折込チラシで購入行動を喚起することが可能であり、さらにネット広告を併用することで売上は大きく伸長することを示す結果となりました」
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