読売新聞グループ本社と西日本新聞総合オリコミ、読売西部アイエスの３社は２月18日、ディスカウント店大手「トライアルカンパニー」（福岡市）の協力で実施した新聞折込チラシとネットの広告効果を検証する広告効果測定調査の結果を公表した。

新聞の折込チラシを活用してＰＲした店舗のグループで対象商品の売り上げが４割伸び、ネットとの併用でさらに売上増加額が拡大するなど、折込チラシの根強い広告効果が確認された。

調査は昨年11月、福岡県内のトライアル８店舗（各２店舗の４グループ）で実施。肌着のプライベートブランド（自主企画商品）「スマートバイ」を対象に、①チラシのみ②ネットのみ③チラシとネットの併用④広告なし――の４グループに分けて販促を行い、各グループの売り上げの変化を比較した。

その結果、チラシのみでPRした店舗のグループでは、商品の１週間の売上額が前週比で42％増となり、伸び率が最も高くなった。ネットのみのグループは35％増、チラシとネットの併用は33％増だった。

2021年２月19日 読売新聞より

一方、広告を投下した週と翌週の２週間分の売上増加額で比較すると、チラシとネットを併用したグループがチラシのみの1.8倍、ネットのみの1.6倍となり、広告媒体の効果的な組み合わせで売り上げをさらに伸ばす余地のあることが実証された。

広告の効き方にも違いがみられた。折込チラシは配布した当日の売り上げが前日の３倍程度と顕著に跳ね上がるのに対し、ネットは配信した期間（４日間）の売り上げがなだらかに増加傾向を示した。また、広告効果は広告を投下した翌週（7～17％増）も持続した。

こうしたデータは、商品特性や店舗の販売戦略に即した効果的な広告の打ち方を検討する上で有用といえそうだ。

調査を設計・監修したコンサルタントの田中義啓氏は「小売企業はチラシとネットの併用によって単独媒体では届かない範囲にリーチを拡げ、売り上げの天井を突破する可能性をぜひ追求して欲しい」と話している。

調査はトライアル各店舗の商圏内にある各戸に対し、折込チラシは読売新聞や西日本新聞など４紙で配布、ネット広告は店舗の４km圏内にディスプレイ広告を配信する形で、いずれもほぼ同額の広告費用となるよう設計して実施した。